企業における資金の流れは、人間の血液に例えられます。上手く資金(血液)が企業(人体)を循環していれば健全(健康)ですが、少しでも滞ると働きが鈍くなり、やがて倒産(死)に至ってしまいます。企業の業績を端的に表しているのは、本業でどれだけ売り上げたかを表す売上高、それから原価や経費などの費用を差し引いた額である利益が該当します。この利益がプラスであれば黒字、マイナスなら赤字と表現します。
もちろん黒字に越したことはありませんが、最近では利益が上がっているのに潰れてしまう、いわゆる黒字倒産する企業が少なくありません。これはほとんどの場合、資金繰りが上手くいかなくなり倒産に至っているケースです。利益が出ているのに倒産するというのは不思議なものですが、これは売上の発生と実際の資金の流入、さらには仕入先や銀行に対する債務(借金)などの関係が大きく関係しています。通常の場合企業が商品を売りあげた時点ではまだ売上金は貰わず、一旦売掛金等の債権として計上し一定期間経過後その分の金額を支払ってもらう、あるいは仕入先から商品買ってきた時には逆に買掛金等の債務として計上し後から支払うといった掛け取引となっています。
ここでもし、売掛金を計上して実際に支払ってもらうまでの期間(回転期間)が買掛金の回転期間よりも長い場合、資金の受け取りよりもも支払いの方が先行してしまいます。売掛金の受け取り額を買掛金の支払い額に充てることが出来ないので、支払いが滞ってしまいます。このように、売上・仕入と、実際の資金の流入出にはタイムラグがあり、それを上手く噛み合わせるよう調整する作業が資金繰りです。それゆえ、例え売上が好調で利益が黒字になっても、資金繰りが上手くいかず倒産してしまう原因となります。
対策としては資金4表を作成し、流入出のバランスを取ることや、その前段階で今期の計画を過去の経験等から綿密に立てる等があります。